OMC

2017年3月11日土曜日

アメリカでの人工関節手術(股関節・膝・肩など)

Multnomah Orthopedic Clinic
モルトノーマ整形外科クリニック
ポートランド・オレゴン州

ドクター グスタフ・フィッシャーM.D.
米国整形外科医アカデミー
アメリカ股関節協会
オレゴン整形外科医協会
オレゴン医師会

ベビーブーマー世代の人達はその前の世代の人と比べると裕福な時代に育っています。

株の大暴落や第一次・第二次世界戦争、伝染病など大変な時期に生きていた方は質素に育ってる人が多いです。
そのため、関節の痛みや壊死、骨粗しょう症などは年を取ると”それは当たり前で年だから仕方無い”、もしくは”もう年だからがまんする”の考えが多かったようです。

次の世代になると景気もだいぶ良くなり、黄金時代の80年代には丁度30代後半、40代でとても良い時代がありました。ここで裕福な環境に慣れる事により、”歳だからがまんしなさい”がとても嫌な世代が今60代~70代になってきています。

それによって人工関節手術のニーズがとても増えて来ています(アメリカでもニーズが上昇)。かばって歩くのも嫌で、押し車なんて絶対嫌、痛みも我慢したくない人が増え、そのために人口関節の技術や研究が大幅に進みました(ニーズ=研究に掛けるお金が増える=新しい技術が生まれる)。

寿命も長くなっている事もあり、上手に歩けなく、痛い生活を送るのがもっと長くなります。昔の人工関節では~15年ぐらいしか持たない物が主流でしたが、最新のパーツですと30年は持つと言われています。素材のクォリティ、デザイン、手術法など、すべて進化してきています。

人工股関節の場合、Superior切開と言い、腰後ろ横ぐらいに斜めに切り、筋肉を切らない事により痛みと回復が早くなります(昔は通称、泥棒方法とドクター達は言い上手な人が上手く筋肉の間をすり抜けて手術を行う裏技)。手術中に問題が無ければ23時間で退院するのが主流で、家でリハビリスペシャリストの方が来て、1週間押し車でのトレーニング、1週間杖でのトレーニング、3週目では何も補助なしで自分で歩けるトレーニングをして4週間目には飛行機を乗れるぐらいなっています(3週目で帰国する方も多いですが、年齢などにもよります)。


人工関節のパーツはStryker社の人工股関節やTornier社の人工肩関節などを使っています。これらの会社から一番新しい、最先端のパーツを保険会社が渋っても強く交渉して安いパーツを使わない方針にしています。


(Stryker アコレイドII、セラミック・セラミックカップ、ポリウレタン変動式、セメント剤無し、自然骨浸透治癒タイプ)


       


(Tornier シンプリシティ、超小型根っこにより骨を最小限に削る。~60歳未満対象)

Multnomah Orthopedic Clinic(モルトノーマ・整形外科クリニック)では、3名のスペシャリストドクターがパートナーで手術や治療を行っています。それぞれ部門があり、肩・肘・手首のスペシャリスト、股関節・膝・足首のスペシャリストと小児科スペシャリストで分かれています。全員同年代ぐらいのチームで”院長さん”的な存在がいないため、新しい技術やサービスなどがかなりモダンで充実されています。

(ドクターシプリーM.D.、ドクターメズニールM.D.、ドクターフィッシャーM.D.)

コンシェルジュサービスなどもあり、ドクター自身が滞在施設へ尋ねたり、個人の携帯電話番号も貰いいつでも連絡出来るようになっています。海外の方は不安になる気持ちが現地の人よりも高いと判断し、このサービスは外国人のみにあるプログラムです。

もっと歳をとって、長い間我慢してから手術を行う必要はありません。15年しか持たないパーツですと50代や60代で行うと又手術が大変になる可能性があり、30年持つ最新のパーツで手術を1回で終わらせる方が負担が少なく、合理的だと思っています。

これらの理由で日本のプロスポーツ選手やセレブなどがなぜ昔からアメリカで人工関節手術を行っていたかと言う事が判ります。手術後のケアやリハビリ、”がまんしなくていいですよ”と言う姿勢がカルチャーの違いで大切にケアされている、と患者様が感じるようです。






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