JAK1阻害剤という種類のお薬がアトピー性皮膚炎用として研究・治験が始まりました!これはデュピルマブ(デュピクセント)やトラロキヌマブとは違い、IL4とIL13のレセプター(細胞側の受容体、”受ける”ほう)を制御するお薬です。
投与法は錠剤であり、毎日内服する必要があります。これによってコンプライアンス(患者の飲み忘れなど)のリスクと、デュピクセントとは違い、もう少し幅広く免疫を制御するため、副作用が出る可能性もあります。
当然サイクロスポリンよりも安全ですが、デュピクセント系の生物薬よりも副作用によって使用出来ない方、もしくは不健康な方が使えない可能性があります。
但し、大きなメリットではお薬の費用が生物薬よりも安くなる可能性が高いので、金銭的にアトピー治療のフェラーリであるデュピクセント・トラロキヌマブと比べるとレキサスぐらいの費用になると思います。
JAK1はリウマチ治療に現在認可が下りているので、すでに市場には出ています。但し、ターゲットする因子IL4とIL13の受容体、そして製薬会社の分子構造デザインによって効果や安全性がかなり異なって来ます。ターゲットする因子が同じでもお薬の効果が大幅に違うのはその理由です。受容体の方でブロックするのか、それとも血流に流れている因子の方をブロックするのかなど、そして分子構造を微妙に変化させるだけですべての効果が変わって来ます。
製薬会社は同じ因子のブロッカーをターゲットしたお薬を開発しても、微妙に分子構造を変えて100種類ほど準備しています。
治験内容:
ファイザー社の治験プロトコルがとても良いので、この治験はドクターマセソン・ドクターブラウベルト・ドクターイーストがお勧めしています。第3治験(Phase 3)なので、安全性(第一)、効果(第2)は良い結果が出ているので、投与量(第3)に突入しています。
治験プロトコルは12週間、全員実薬からスタートする方法で、オープンラベルから始まります。
12週間後、ランダム(33.3%実薬1日200mg、33.3実薬1日100mg、33.3%偽薬)が始まります。この期間は40週間あります。
ここですごく良い点が、もしランダムの段階で偽薬に当たり、炎症が出ると無制限のレスキュー(専門医からの治療)となんと、ここで実薬に切り替える事が出来ます。
52週間の治験が終了後、オープンラベル長期安全性治験に入る事が出来、追加52週間分の無料の実薬期間になります。
滑り止めが強い治験なので、とても良いです。
デメリットは健康状態がかなり良くないと治験スクリーニングで落とされます。これは過去に癌の診断や現在肝臓や腎臓などの疾患を患っていたり、全体的に不健康であると落とされる可能性が高いです。
後、期間がとても長いので、治験に入れる患者様は限られると思いますが、ビザなどはアメリカの治験に参加すると10年間ビザは下ります。
滞在もコストを下げ、ホームステイ系の治験用として1部屋は確保しております(長期滞在の方用)。
これも将来のアトピー治療オプションとして一つ増えるので、とても良い方向へ進んでいると思います。
ご質問などは:info@omcllc.org にてよろしくお願いします。
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