アトピーを患っている方や関係者はリバウンドと言う言葉を知っていると思います。
正式には”ステロイド離脱症”と日本では言われているようです。英語でも”バウンス”や”リバウンド”と言う言葉を使います。
結局言い方を変えていても、長期浸透度の強いステロイド外用剤を塗布し、急に止めるとものすごい炎症が出ます。
この炎症が”ぶり返し”、抑えられていた炎症が出て来た、と、副腎機能が低下し、お薬からの副作用として症状が劇悪化する、の違いで混乱されている方が多いようです。
アメリカからの視点では、”ステロイド離脱症”が出る時は、体左右対称に、それと顔が腫れたり、足首が腫れたり、痒みよりも熱を持って火照るような感じはアトピーの炎症がぶり返しただけとは思えないのが事実です。明らかに内面から出て来ています(全身型)。
以前に炎症が出ていた場所とは関係なく、今まで数百名のリバウンドを見てきた経験上では、全員顔・背中・首から始まります。塗布されている期間や強いステロイドを長期に渡って使っていた方達はそこからムーンフェイス(顔が満月の用に腫れる)ともっとひどいと足首も象の足のように腫れる方もおられました。
実感されるのも痒みと言うよりも腫れ・痛み・火照りを良く聞きます(これはすでにお尻にデクスメタゾンとトライアムシノロンの調合薬を投与した後でも貫いて炎症が出るが、何も使っていない状態と比べてだいぶ抑えられていると思います)。
アメリカの治療でも個人が自己判断で”脱ステ”を行う事はお進めしておりません。コントロールしながらステロイドを離脱し、安全なお薬に変える事により、苦しい思いをせずに辞めれるのが一番安全で効果的だと思います。
但し、長期間ステロイドを塗布されている方は、少しでも辞める事が出来ない状態になっているので、本人は使いたくなくても、使わざるを得ないので辞めれない事になっている場合も少なくありません。
この場合、中々安全に日本で辞めて行くオプションが無いため、新薬のデュピクセントなどを求める事になると思います。デュピは長期安定にはとても優れているお薬ですが、リバウンドや感染を抑える効果はありません。
理解しにくいかも知れませんが、安全にステロイドを辞めて行くのには、ステロイドを専門医が上手に引いて行き、症状が悪化しだすと量を少し上げ、徐々に下げて行く方法です。これは筋肉注射・内服・外用剤、すべてをパーフェクトに使いこなす必要があります。ここがドクターマセソンのとても優れている部分であり、他の医師からも”魔術師”の用にお薬を使いこなす先生と言われています。内科の知識がとても強い所もあり、経験と、初めてリバウンドを起こす日本人の患者様を診た時(25年ほど前、アメリカで30年皮膚科医として働いており、見た事無かった)からあらゆる方法でステロイド外用剤から安全に、かつ快適に離脱出来る方法を作りました。
一度離脱出来ると、デュピクセントや正しいスキンケア・トリガー駆除・感染対処など行う事により長期安定が期待できます。
安全な弱~中ぐらいのステロイド外用剤も1ヶ月に1回使うか使わないかぐらいですと、今までの使用度とステロイドの強さと比べると多分98%は使う回数は減ると思います。
アトピーを持っていない方でも弱レベルのステロイドをかぶれなどにたまに使う程度です。
ステロイドは即効性があり、とても酷い状態を早く楽にする作用があるので、まだ使い道はあります。デュピは効果が発揮するまで時間が掛かる方や、デュピだけでは100%すっきりしない方もいるので、まだ使える道具です。正しい知識と安全な使い方を患者様に説明する事が重要となります。
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