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2020年2月12日水曜日

アトピー性皮膚炎、悪化の原因とは?

アトピーを悪化させる要因は人によって異なります。これは慎重に過去歴や体に出ている炎症のパターンを見直す必要があります。

では一緒に、ドクターになった気分で悪化の要因を探してみましょう。

ケーススタディ1(例)
女性、38歳 育児中 子供2歳 専業主婦
アトピー発症歴 幼児湿疹 四肢関節
治療方針 ステロイド外用剤

0歳~12歳まで炎症箇所が四肢関節・脇・腰などに少々。ステロイド外用剤の塗布でコントロールできる。

13歳 顔・首、急激に悪化、ステロイドの強度UP、塗布の範囲が広まり、一時的には収まるがステロイドを塗らないとすぐにまた悪化。

18歳 大学に入り一人暮らしが始まる。顔・首主体の炎症が上胸・胴体にも広がる。さらにステロイドの強度が増し、塗布するエリアが増える。

23歳 ステロイド外用剤を停止。リバウンドを経験する。全身極度の炎症で仕事を辞める

23歳~25歳 ステロイドを使わない治療を探す:民間療法・漢方・温泉・サプリ

26歳~30歳 リバウンドの症状は治まるが、全身に炎症・皮膚の乾燥が酷い。脱保湿や瀉血などあらゆる治療法を探す。

31歳~34歳 民間療法の効果に満足せず、標準治療に戻る。処方薬:リンデロン、アンチベート、抗ヒスタミン剤。炎症箇所・主に顔、首、腕、足、背中
リバウンドを恐れ、毎日は塗布せず、部分的に数日間使用。

35歳 結婚、子供が産まれ、手と鎖骨に新たな炎症箇所が出来る。ステロイド軟膏

38歳 渡米治療決心、ドクターマセソンの治療が始まる。

という流れの問診票をよく見ます。上記はあくまで例ですがこれらをもとに悪化の要因を追究すると:

新生児から幼児まで、四肢関節部に炎症が出るのはよく見ます。汗が溜まったり、アトピーの性質上、このエリアに炎症が出るケースが多く、少しのステロイド塗布でコントロールできる子供が多いです。

小学生になるにつれ、スポーツや外で遊んだり、悪化の要因が増えますが、まだアトピー年月も浅いため、極度の炎症が慢性化する前にステロイド軟膏などで抑える事が可能です。但し、乾燥肌をずっとコントロール出来ていないと、空気中アレルゲンなどが皮膚を貫通して体内に入っていく量がアトピーを患っていない方と比べてとても多くなります。このため、免疫が刺激され、アレルギー体質になるリスクが上昇していきます。

上記の理由のため、思春期に入ると、アレルギー体質になり空気中アレルギーの反応が始まり、顔や首、衣類の外に出ている皮膚が悪化始まります。この時に花粉症の症状なども出てきたり、喘息が悪化する方もいます。どのアレルギーに反応しているかスクラッチ検査を行う必要があり、血液検査では擬陽性と言い、反応が無い物にも要請を示してしまう場合があるのでアメリカでは主流ではなくなりました。

更なる悪化の要因が炎症の度合いと範囲が広くなるにつれ、ステロイド軟膏の強度も増し、塗る頻度も増します。生活を維持するために、ほぼ毎日塗布する事になり、これが何年も続くと、依存してしまうので止めた時にリバウンドのリスクが急上昇してしまいます。

一人暮らしを始めてするときはあまり綺麗ではないアパートや寮生活などでカビ・埃・空調システムのフィルター汚れ、大学生活で更なる悪化する場合があります。勉強に集中するためにステロイド塗布を継続し、更に範囲や強さなど増す場合もあります。

社会人になってから、ステロイドをずっと使っていると良くないと自覚し、医師への信頼もなくし、脱ステが始めります。強度のリバウンドを経験し、入院する方もいれば、家に引きこもってしまう場合もあります。ここでもう二度とステロイドを使いたくないと思い、他の治療法を探します。

ここから数年かけてあるゆる温泉・食事療法・瀉血・漢方などぐるぐる回る方が多いです。良いのか悪いのかアップダウンを繰り返し、アトピーに対する混乱や余計に悪化するような療法など、更に誰も信用できなくなります。

次第には標準治療に戻り、20年前と同じ治療で同じ事を繰り返す。長期ステロイド塗布をしていたので、皮膚が薄くなりさらに敏感になっている事もあります。安全な商品を探すのに苦戦するケースが多いです(洗剤・保湿剤・シャンプー)。

結婚し、子供が産まれ、育児で手の湿疹が新たに始まり大きなトリガー要素となります。手のケアに対する知識が少ないため、手を頻繁に洗いすぎたりし、乾燥でそこから感染に繋がります。

ここで渡米治療を決心し、上記すべての悪化要因を追究し、長期安定のために駆除していきます。皮膚が丈夫になるにつれ、ケアも楽になり、簡単には炎症がでないようになり、はたから見てもアトピーとは判らない状態を維持していくのがゴールとなります。

悪化要因リスト:
洗濯洗剤と衣類の乾燥方法、室内や外で衣類を干していると空気中のアレルゲンが衣類につくので、それが皮膚と接触し悪化する方がとても多い。
合わない洗剤が衣類に残っており、汗をかいたときに成分が皮膚と長期間接触
柔軟剤を使っていたりし、成分が衣類に残り皮膚との長期間接触
洗濯機の中にカビが発生している

マットレスと枕にダニカバーを使っていないため、長期間接触で悪化

掃除機をかける事により、埃が舞い、空気中アレルゲンから悪化
畳の部屋で寝るため、掃除機を使っても埃やダニを吸いきれないため、悪化

お風呂の温度が高すぎで、出た後に痒みが増し、皮膚の乾燥が酷くなる

上記が基礎的なリストで、ここから個人的な要因を探し、改善します。



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