OMC

2016年8月30日火曜日

8月2016年アトピー渡米治療チームの経過

今月のチームは女性3名、男性1名です。親子の方(お母さん・娘)がおられるので4名でケアホームに滞在出来ました。

患者A
長期間の内服ステロイドを使用しており(約2年)、このような事態になっている方は4人目となります。似たようなケースが徐々に増えていく見込みです。内服ステロイドを長期に渡って使用すると、内科的な問題やリスクが上がります。日本で処方されている量が少ないので、あまり症状も抑えられず、お薬を止めれない状態になっている上に副作用は出てくるので効果が薄く、危険な治療方針です。ゆっくりと減薬していき、その上アトピーを上手にコントロールしていくのがコツです。内科的な副作用も見ていくので、アトピーと副腎機能を両方治療する事になります。お薬からの副作用とアトピーの炎症は別物だと説明するのが重要です。ドクターは内科的なダメージの方が心配されていますが、今の処はアトピーもコントロール出来ており、内服ステロイドからの減薬が始まりました。これは約4カ月から6カ月掛けて減薬していきます。アトピーの方は落ち着いているので、あとは内科的な副作用が出ない事を願っております(筋肉の痛み・白内障・付け根の痛み・倦怠感)。あと、副腎機能が停止している間に大きな事故など起こった時に体の自然の働きが機能しないので、ショック状態になったりするリスクもあるようです(骨折や極度のストレスなど)。長期内服ステロイドが今の”流行り”であれば、これはとても良くない事です。

患者B
衣類の下がとても炎症が多い方で、顔などは比較的症状が軽い方でした。この炎症パターンは衣類などからの接触性パターンであり、顔・首があまり出ていない方は空気中アレルギーが大きな原因ではない場合があります。アレルギースクラッチ検査を行ってみると、ドクターの言われる通りアレルギーがかなり少ないタイプでした。木が数種類反応を起こし、その他ダニや埃すら出なかったです。但し衣類を外で干していたので、空気中のアレルゲンが濡れた衣類につき、一日中それを着る事になるので胴体がとても悪化していました。アレルギーが少ないのでやはり経過はとても良く、炎症が多かった服の下もだいぶ色が取れ、快適に過ごせるようになりました。アレルギーの数が少ない方は大きなトリガーが一つ無いような物なのでラッキーです。

患者C
まだ子供ですがすでにアレルギー体質であり、スクラッチテストも多くの反応を示していました。これは幼いころから皮膚のバリアがしっかりしていないので、空気中のアレルゲンから体内に入る量が多く、ずっと免疫を刺激されるため子供でもアレルギー症状が出始めます。炎症などは、まだ若いのでアトピー年月が浅く、色素沈着などが始まる前に治療をスタートしたので、成人アトピーの困難なケースにならない見込みです。早くから治療を行うと正しい知識やケア、お薬に対する知識などが豊富になるので、リバウンドや色素沈着が起こらない見込みです。とても良い子で、物分かりも良く、みんなに誉められています。子供の治療は大人と違い、成長していくと共に新たなトリガーやホルモンなどで難しい時もありますが、安全なお薬でドクターの基で治療を継続していくので親も安心していました。とても重要な時期だと思います。若くから治療が出来て良かったと思っています。

患者D
全体的に炎症が出ていましたが、主に顔・手・首が集中して症状が診られました。レストランで務めているので、手が一番酷かったです。傷口から感染を起こしており、更に炎症を悪化させていました。顔は、その手でよく触る癖があり瞼や眉毛のエリアがいつも赤くなっていたようです。首はほぼ全員のアトピー患者が炎症を持っていると言っていいぐらい、良く見ます。首は皮膚の性質が違い、回復も遅く、トリガーの接触ポイントとして衣類が良く擦れる場所でもあったり、色素沈着が残りやすいのもあり、曲者です。但し、手をきちんと守る術を覚え、そこからアトピーが広がらないようにするのがポイントです。スキンケアも上手で、理解力が強い方でしたので今後の安定が期待されます。

8月はポートランドの天気が最高の時期なのでいろいろと楽しい事をご一緒しました。行動力のあるチームで、食べる事が好きでSalt and Strawのアイスクリームやブードゥードーナツを良く食べに行っていました。

バイトと言うウォーターフロントのお祭りでワインの試飲やポートランドローカルの食べ物を楽しんだり、Street of Dreamsと言う夢の家ツアーなども行きました。私の妻が建築系の会社で務めているのでチケット無料でゲットできたのでお得でした。

 Steet of Dreamでみんなとランチ、家は3億~5億。。為替が良くないので今回は誰も買いませんでした。

まさしく、”夢の家”ツアーでした。ポートランドでは毎年行っています。

ポートランドシティグリルでのブランチ食べ放題です。ミモサ(シャンパンとジュース)も$10で飲み放題です。 

家の奥さんも大好物のレストランです。レミーは残念ながら見るだけです。

今週に帰国ですが、とても良いチームで治療経過も良く、ケアーも熱心に行ってくれたので今後の経過がとても楽しみです。オレゴンでの治療はスタートであって、終わりではありません。我々はアメリカで日本から遠いですが、いつでも何があってもサポートし続けます。これからも皆さんの病気を治すために新しい治療法やプログラムをもっと良くしていく事を心がけています。アメリカの治療が最後の頼みの綱になっている方も少なくは無いと思っているので、その気持ちを忘れずにOMCチーム、ドクター達も理解し、全力を尽くしています。

8月チームの皆さん、治療お疲れ様でした。又いつかお会いできる事を心から願っております。


2016年8月26日金曜日

アメリカ治療専用、新ケアホーム!

9月2016年からケアホームがリニューアルされました!同じ敷地内ですが、内装がすべて変わりました。もうちょっと今風です。

ケアホームの周りには徒歩2分でスーパー、24時間ファミレス、ハンバーガーのファーストフード、銀行、スターバックス、タイ料理屋、31アイスクリーム屋、酒屋、スポーツバーなどが揃っています。

実は8月チームの方達が自転車を購入したのでケアホームへ次のチームが使えるように置いて行って下さるようです。自転車15分ぐらいで大きなモールもあります。

バス停も徒歩3分以内にあり、元気になった患者様達はそれを利用してダウンタウンなども行っています。大体30分~45分でダウンタウンまで行けるようです(車ですと15分ですが)。

ケアホームは朝食付きで、WiFiインターネット、ケーブルテレビ、お掃除、ケア用品などが付いております。始めてアメリカで滞在する方もホテルとは違い、自宅のように使う事が出来ます。日本スーパーもポートランドに一件あるので、日本食がとても恋しくなれば食材を調達する事も可能です(値段は3倍ぐらいです)。ポートランドでの生活に慣れると、患者様達も横のスーパーを”家のスーパー”と呼んでいました。


敷地内にはプールとフィットネスセンターが無料で使え、少しハイキングできるぐらいの土地幅です。今はポートランドも暑くなってきているので8月チームの方達はプールを使いまくっています。



我々の仕事は医療の翻訳だけでは無く、患者様達が充実した滞在を送れるように心掛けています。始めてアメリカに来て、みんなに反対され、不安な気持ちで来るのは良く理解しております。ほぼ全員が一度ポートランドに来るととても安心され、我々のチームを信頼するようになります。9割以上が”帰りたくない”と言うぐらい、とても過ごしやすいようです。ドクターがいつも、”ホームシックにはなっていませんか?食べ物は大丈夫ですか?”と聞いてくれます。別の心配事に気持ちが行くと言う事は病気がコントロールされている証拠ですね。

病気を治療する事は生活の質を上げる事なので、ポートランドで美味しいご飯を食べにいったり、観光したり、今までしたかった事をするのも治療の一部だと考えています。ドクターからもじっとしていないで、外に出て日本でするような事もしくわ、したかった事をしなさいと言われます。人生を取り戻して、仕事の効率や人間関係、家族との関係なども大きな変化が見られると信じています。




2016年8月20日土曜日

私が帯状疱疹になりました

最近ストレスが多かったのか、左手から手首のエリアに帯状疱疹が出来ました。これは水疱瘡と同じウイルスが成人になった後免疫が弱ったりすると再発します。ウイルスと言うのは一度感染すると、一生体の中にいますが我々の免疫が制御するので免疫力が弱るまでは症状が出ません。アメリカでは年配の方に多く、60歳以上の方達には帯状疱疹用の予防接種もあります。

私の場合は幸い手に出たので、痛くてめんどくさいだけでしたが顔や目の周りに出ると危険な状態になる事もあります。ひと昔前はまだ抗ウイルス剤などが主流化されていなかったので、広がり続け痛みが一生取れない人もおられ自殺などもあったようです。

今はアサイクロビアやバルトレックスなど、安全でとても効果的な抗ウイルス剤が主流なので比較的簡単に抑える事が出来ます。塗り薬やクリームなどはほぼ効果がないようです。

私の場合は:
アサイクロビア800mg x 5錠 を5日間(4000mg)、4錠を3日間、3錠を3日間。。。と減らしていきました。
デルタゾン20mg x 2錠 を3日間、1錠を3日間
もし水ぶくれがつぶれた場合、新生児を触らない事(レミーはまだ水疱瘡の予防接種を受けていません)
かさぶたや水泡を潰さない事

と指示されました。

私も沢山帯状疱疹を見てきたり、症状は理解しておりましたがいざ自分になった時は以外と解らないものです。始めは揚げ物を料理した時に油が飛んで火傷したのかと思っていました。感覚的にも火傷の痛みに似ています。ですが水泡が増えだして、痛みがひどくなってきたのでドクターマセソンに診てもらいました(仕事上のメリットですね)。一発で帯状疱疹やね、と言われました。ドクターブラウベルトにも診てもらい、ちょうど神経を辿っているパターンであり、痒みではなく痛みであり、特徴のある水泡だったので診断は簡単だったようです。ドクターブラウベルトとマセソンも帯状疱疹経験者なので、辛い気持ちは良く理解して頂けました。

ドクターブラウベルトの場合はアメリカ連邦薬事法のインスペクターがクリニックの調査に入ると聞いた時にストレスで帯状疱疹になったようです。右目の上から額にかけて水泡が出来たと聞きました。

ドクターマセソンは以前オレゴン州の南部にある学会のボードメンバーとしてプレジデントの役目を行っており、距離が遠いのでストレスになっていたようです。そのときに背中が少し違和感を感じると思い、ミーティング後に友達の皮膚科に診てもらい解ったようです。

このようにドクター達でも自分で体を診断する事はとても難しい事です。第三者のプロフェッショナルの意見がとても重要です。皆さんもストレスなどバランスを取って(難しいですが)体にお気をつけてください。

症状の写真はお薬を使い始めて10日後です。アサイクロビアとデルタゾンの飲み始めて2日から3日目ぐらいで痛みは引いていきました。