OMC

2019年12月28日土曜日

アトピー治療の新薬、レブリキズマブ 第3治験オープン!

アトピー性皮膚炎に対する新たなヒト型モノクローン抗体IL13阻害剤の生物薬治験がPhase3(第3)期に入りました。Phase2b(第2b)の治験データがとても良かったため、製薬会社もこのまま研究を進める事を判断したようです。

製薬会社はダーミラ社で、データと噂ではレブリキズマブはデュピクセントよりも効果が優れているのと副作用がほぼないのがメリットです。

治験内容は16週間の生物薬投与(全員実薬)で、効果があった方達は36週間の投与期間に移ります。この36週間の間は3グループあり:
グループ1.実薬投与を2週間に1回
グループ2.実薬投与を4週間に1回
グループ3.偽薬

と分けられます。この36週間期間の間で、16週目に皮膚が悪化していたり、EASIスコアなどが下がっていると、実薬投与2週間に1回のグループ1に入れられます。

治験期間は合計52週間で、その後のオープンラベル(実薬を無料でもらえる期間)は1年間と想定されております。

オープンラベルの診察期間は始めは頻繁にありますが、私の経験では、途中から3か月に1回など、かなり期間は空きます。

海外の方が治験をアメリカで受ける場合はVISAが必要となりますが、審査が通れば10年間の医療ビザが所得出来ます。
その他ご質問等ございましたら、info@omcllc.org にてメール、もしくはKoheipdxでラインして頂ければ幸いです。

2021年ぐらいにFDA申告で市場に出るのは2022年ぐらいの見込みです。ただし、このお薬は日本で治験を行っていないので、日本では購入できない可能性が高いのと、現在デュピクセントの値段を考えると、1か月40万円ぐらいの定価になる見込みです。




2019年11月13日水曜日

アトピー性皮膚炎に対する新薬レース

アトピーの新薬治験が色々と同時進行で進んでいます。製薬会社によって方針が違いますが、大まかに分けると:
飲み薬系 ピル・口径剤 JAK1阻害剤
生物薬系 注射投与 IL13、IL4、IL31R 阻害剤

現時点でのアトピー性皮膚炎に対する効力を順番にすると:
ピル・抗経済系
一位 ウパダシチニブ JAK1阻害剤 Abbvie社
二位 アブロシチニブ JAK1阻害剤 Pfizer社
三位 バリシニチニブ JAK1阻害剤 Lilly社

生物薬系
一位 レブリキズマブ、IL13阻害剤 Dermira社
二位 デュピルマブ(デュピクセント)、IL4RとIL13阻害剤 Regeneron/Sonofi社
三位 トラロキヌマブ、IL13阻害剤 Leo社
四位 ネモリズマブ、IL31R阻害剤 Galderma社

両方を混ぜると:
一位 ウパダシチニブ JAK1阻害剤 Abbvie社
二位(同点) アブロシチニブ JAK1阻害剤 Pfizer社
ニ位(同点) レブリキズマブ、IL13阻害剤 Dermira社

三位 デュピルマブ(デュピクセント)、IL4RとIL13阻害剤 Regeneron/Sonofi社
四位 トラロキヌマブ、IL13阻害剤 Leo社
五位 バリシニチニブ JAK1阻害剤 Lilly社
六位 ネモリズマブ、IL31R阻害剤 Galderma社 

なお、この順位リストは現段階の治験成果であり、今後も研究・治験が進むにつれ順位が変わる可能性があります。

ドクターマセソンのオフィスで行っていた治験で私が横で見てきた経験上では:
2012年ーデュピルマブ治験Phase2 6名 、其の内5名が実薬に当たり、1名は偽薬。偽薬と当たった人との経過が全然違う。アレルギー症状も改善(目のかゆみ・鼻水・鼻づまり)。目の赤み・結膜炎副作用が2名。症状の改善スピードは少し遅いが、確実にどんどん綺麗になっていき、皮膚の触った感じが全然違う(もっと厚く、”普通の皮膚”のような触り心地)。このままオープンラベルに全員参加(無料でお薬を貰える期間、~2から3年ほど)。

2018年ーダーミラ社のレブリキズマブ治験Phase2 1名 、実薬に当たり、とても困難だった患者の状態が安定する。デュピのように時間は少し掛かるが確実に安定していく。その後日本帰国後、数か月のギャップが空くがデュピをスタート。楽にはなるが、レブリキズマブの方が良かったと感想を聞く。

2018年ーファイザー社のJAK1治験Phase2 1名 、実薬に当たり、とても酷い状態から早く大幅に改善。ただし、頭痛や吐き気の副作用があり、お薬に慣れるまでは投与タイミングに工夫をしたり、問題はあったが調節で克服。私も何百人の重症アトピー患者を見てきたが、このJAK1の効力とスピードには驚きました。副作用は好ましくないが、投与タイミングや食べ物と内服したりし、なんとかなるようです。患者は小作りをする可能性があり、オープンラベル破棄し、数か月はキープしていたがやはり炎症が少しずつ戻り、現在はアレルギー治療を再開する。

全体的な感想:
どの新薬もスキンケア・感染対処と予防・トリガー駆除・生活環境を整える事が必要なので、魔法の特効薬ではないと感じました。確かに疾患のベースラインを下げる事により、上記のケアが楽にはなり、滑り止めとして多少上記が怠っていても患者によっては炎症を出さずにキープする事は可能だが、デュピとAbbvieのJAK1を使っている方で炎症が貫いて出てきた方達もいます。
ソノフィーが気になっていた日本でのデュピに対する不満や治療成功例、EASIなどの数値がデュピ認可されている国で一番低かったので、患者への教育と感染対処などが行われていないケースが通常りも多いのと人気のある東洋治療法と民間療法などでかなり混乱されているケースも多いのが原因になっている可能性があります。

やはり一番の問題が金銭的なもので、日本の国民保険システムを利用して月~5万円だと聞きます。他の申請などするとそこからさらにコストを下げていく事も可能のようです。
ネックが皮膚科に通う事になり、自宅投与を認めるところはクリニックによってポリシーが違うようです。日本の皮膚科へ長い間行っていない方(民間療法マーチー皮膚科への信頼を失いさまざまな民間療法・漢方を試す)は標準治療をある程度行ってらデュピを処方されるケースが多いようです。我々の患者の場合、ドクターマセソンの治療から帰国後の経過観察などでレポートを作成し、日本でデュピをもらっています。

お薬が認可され、その後12~13年後ぐらいにジェネリックが出来るので、コストが下がれば、更に多くの患者が助かると思います。

今できる事は適切なケアと治療と遭遇し、それで治ればOKですし、それでも後もう少し安定が必要な方にとってデュピという武器があります。我々の患者でデュピが必要になっている方は3%ぐらいです。





2019年10月30日水曜日

12月アレルギー注射発送スケジュール

母からの伝言です:
アレルギーボトル発送、

12月は、皆様のお手元に1212日か13日にお届けできるようにスケジュールをしています。
注射は、1115日―1120日までにご注文をお願いいたします。
高沢 奈美子

2019年9月14日土曜日

10月アレルギーボトル発注スケジュール

母からの伝言です:

日本の夏も少しは過ごしやすくなったようですが、残暑お見舞い申し上げます。
注射の次の配達は、1020日頃にお手元に届きように予定をしています。
ご注文は925日から930日までの間にお願いいたします。
宜しくお願いします。

高沢 奈美子

2019年7月30日火曜日

2019年8月末、大阪でオフ会

母からの伝言です:


8月末くらいに大阪へ行く予定をしております。
お久しぶりで、皆様とお会いできたらと思い、楽しいおしゃべり如何ですか?
大阪もすでに夏真っ盛り!暑いですが、夏まつりなど、日本ならではの楽しい行事も一杯ですよね。
私はお酒(ものすごく飲めるように見えますが・・)まったくの下戸ですが、ビアガーデンでのオフ会如何ですか?
場所は、どなたか、お勧めのところがありましたら、教えてください。
オフ会、参加して頂けるようでした、日程を組みます。
オフ会ご希望でしたら、私の方へメールしてください。

アメリカの医療に興味がある方も、どうかご遠慮なく参加してください。

高沢 奈美子

2019年7月10日水曜日

7月・8月アレルギーボトル更新


母からのメッセージです:

お盆に時期となり、お留守のお宅も多いようですので、
注射はお盆の休暇が終わった頃にお届を予定しています。
お手元には、828―830日にお届けいたします。
注射の注文は、2週間の猶予が必要となりますので、
8
5日から810日までにご注文を頂きますようにお願いします。


2019年5月16日木曜日

アレルギーボトル更新、5月~6月


注射の有効期限が5月、6月の皆様へ

次の日本への配達は、620日頃の予定です。お手元には、622日か23日にはお届け出来ると思います。
Dr.Bakerのラボからは、527日から530日までに注文をして頂くようにと連絡が来ました。
プログレスレポートもお忘れなくメールに添付して送ってください。写メの場合は、文章を書くところに貼りつけず、添付ファイルとして送ってください。
住所変更、カードの変更、電話番号の変更があれば、それもご連絡下さい。


メールは:info@omcllc.orgにてよろしくお願い申し上げます。

2019年4月10日水曜日

体外受精成功例、4月2019年

39歳の女性が無事体外受精を終え、同性カップルだったのでクオリティの高い精子バンクから精子を購入し、妊娠が確認出来ました!
精子バンクのドナーたちは遺伝子検査・インタビュー・筆記テストなど、さまざまな難関をクリアしないとなれないので、かなりフィルターが掛かっています。

採卵は12個、胚盤胞(5日間ラボで成長)になったのは二つでそこから遺伝子検査を行い、一つは染色体異常が見つかり、一つは正常でした。

治療も1回で終わり、受精卵も一つしか無かったのですが無事着床し、すでに健康な受精卵だと判っているので、流産などのリスクも大幅に下がります。

妊娠中はエストレイスとプロジェストロン注射を3ヶ月継続します。体外受精の場合、ホルモン投与を妊娠3ヶ月まで続けることにより、更に流産のリスクを下げます。
受精卵の遺伝子検査を行う事により、ダウン症や病気など抱えていない受精卵を使うため、更なる流産のリスクを下げる事が出来ます(不正常な受精卵は母体が押し出そうとするので)。

現在、我々の治療では少数ですが、1回の採卵・1回の移植ですべて成功されております。この成功率を永久的に維持するのは現実的ではありませんが、このままリスクを最小限にした治療を継続したいと思います。


2019年4月6日土曜日

渡米アトピー治療2019年、夏のスケジュール

ポートランドも桜が今満開になり、やっと春らしくなってきました。

アメリカアトピー治療プログラム、ドクターマセソンの夏スケジュールを公開致します。

5月15日~8月下旬2019年まで、患者様のスケジュールに合わして渡米治療が可能となりました。

渡米期間は4週間となり、木曜日診察 x5回となります。

ケアホームもリニューアルされ、以前よりもダウンタウンに近いので、とても便利が良くなりました。





ドクターも年々仕事の量を減らして、ゆっくりと引退への道を作っているので、新規の患者様を受け付ける期間は狭くなってきています。一度患者様になれば、ドクターも自分がお亡くなりになるまでずっとサポートをするとおっしゃっています。但し、新規の渡米治療はそろそろ終盤になってきていると思います。

後継者として、ドクターイースト先生がいますが、まだドクターマセソンが現役の間に治療を受けるのが良いとは思います。

ご質問等は:
koheitakazawa@omcllc.org にてメールして頂ければ幸いです。



2019年3月29日金曜日

2019年、アトピー性皮膚炎、数々の新薬治験オープン!

アトピーの新薬治験が新たに出てきました:

AbbVie(アッビー)JAK阻害剤、ウパダシニチブ 第3治験。30mg-15mg-偽薬の33%ずつの確率に当たり、もし偽薬に当たった方は16週目で15mgか30mgの実薬に変わる、とても良いプロトコルです。治験期間は3年間。

ウパダシニチブ VS デュピクセント 治験、偽薬無しで50%の確率でどちらかの生物薬になります。治験期間は6ヶ月。

ダーミラ社、レブリキズマブ 第3治験。IL13のブロッカーで、現在の生物薬治験レースの中では一番効果が良いと言われています。プロトコル・偽薬などの情報はまだ未定で、2019年初夏に行われる予定となっております。


上記の治験は治療費無料で、診察1回に付き~$50から$75の給付金を頂けます。
航空・滞在費は別途となります。

詳しい情報などは:info@omcllc.org にてメールして頂ければ、ご相談出来ます。

治験サイトは:Oregon Medical Research Center 、
ドクターマセソン、ドクターブラウベルト、ドクターイースト の下で治療・治験を受ける事になります。レスキュー(偽薬に当たったなどの場合)の治療はドクターマセソンが行います。


2019年3月13日水曜日

アレルギーボトル更新、3月~4月2019年

ボトルの期限が3月~4月の方達へ:

次回の日本への注射配達は、4月半ばを予定しております。
ご注文を忘れず、3月20日から25日までに頂きますようにお願いします。
プログレスレポートも忘れずに添付してください。
どうか宜しくお願いいたします。

高澤

2019年1月11日金曜日

ソノフィージャパンの心配事、デュピクセントの将来

製薬会社ソノフィー(Sanofi)はすごいと思いました。

まずは、デュピクセントの効力がアメリカ・ヨーロッパ・カナダと日本を比べると、どうも日本の患者が一番満足されていない可能性があり、それを察知し、リサーチを始めたようです。

患者が不満な場合、処方の数が減るのでビジネスとしては危険な傾向でもあります。

ドクターブラウベルトはデュピクセントに対する知識を広めるために代表医として、日本へ行っています。其の時にスキンケアやトリガー駆除の重要性などもしっかり説明し、デュピクセントだけでは治療にならない、と言うテーマで日本の皮膚科学会にプレゼンテーションをしました。

それだけではケアの重要性など浸透せず、大人数の患者を1日に診察する事や診察時間のリミットなどで患者への教育が難しくなっている事が想定されています。デュピクセントだけで安定しない場合は、そこでステロイド外用剤を処方され、患者からすると、又これか。。と挫折する場合も想定されます。

そのままステロイド外用剤を教育されずに使用すると、例の塗り地獄サイクルになる可能性もあります。

上記の問題が加算されていくとデュピクセントの処方数が減る可能性があり、それを察知しソノフィーが日本とアメリカの違いを教えてくれと、依頼がありました。これはソノフィー会社内だけの情報であり、学会や医療機関の研究ではありません。情報だけを欲しいようです。
ソノフィーからの視点ではデュピクセントはデータ上、とても治療成功率が高いお薬ですが、ご算だったのは治験中は強制的にスキンケアを行い、診察時間も長いですが、普通の診察・お薬が市場に出た後はまったく違う診察スタイルで教育が怠っているのを想定していなかった事が問題になっているようです。

その依頼が我々に来ました。どうしてドクターマセソンが治療した日本の患者様は安定していて、日本にでは良くならないのか、ケーススタディのデータを要求してきました。

我々のように小さな組織でも、嗅ぎ付けてデータが欲しいと言うのはとても熱心で感心しました。




2019年1月7日月曜日

注射ボトル更新のアナウンスメント

注射ボトルが1月2月の有効期限の方にご連絡です。
次回の日本へ配達し、皆さんのお手元に届くのは、2月20日前後を予定しております。
注射のご注文は、Dr.Bakerのラボから、1月20日―1月25日までに注文をお願いしたいと連絡がありました。ご注文の際には、お忘れなくプログレスレポートも送ってください。
メールで送って戴くとき、写メで良いのですが、添付ファイルとして送ってください。
文章を書くところに直接貼り付けされると、大きくなりすぎ、プリントすることもできません。どうか宜しくお願いいたします。

高澤 奈美子

2019年1月1日火曜日

明けましておめでとうございます!2019年もよろしくお願いします。

OMCチーム、読者の方達、過去や新規の患者様へ、今年も色々とお世話になりました。来年も何卒よろしくお願い申し上げます!