OMC

2018年8月28日火曜日

アメリカ体外受精、コストと法律

海外で体外受精を行う理由と人気はいくつかあります。ほとんどは成功率と法律です。

最近、アメリカで遺伝子・体外受精ラボで4年間研究している日本人のドクターとお知り合いになり、色々と日本の現状とアメリカを比べて説明してくださいました。

1.受精卵遺伝子検査がまだ日本ではグレーであり、裏で行っている所もあるが経験不足な所や技術が”裏医療”なのでかなりリスクはある。血液検査で着床してから検査出来るが、もし問題があった場合、妊娠を中断し、移植のやり直しとなる。受精卵の段階で遺伝子検査を行うと、移植前に結果が出るため、合理的で安心して妊娠出来ます。

2.ドナー精子・ドナー卵子プログラムが日本ではとても規制が厳しいため、これも又グレーなやり方か海外から発注すると税関の問題があります。グレーマーケットで購入すると、ドナー側も血液遺伝子検査など行っていない場合がほとんどで、病気・家族歴・学歴・パーソナリティテストなどもほとんど無い。ギャンブルに近い所があります。

3.日本で遺伝子検査の臨床研究が中々始めれないので(世界でも研究出来る所がとても少ない。オレゴンはOK)薬事法や政治が協力的にならないと、日本国内だとグレーマーケットの危険であまり役に立たないな治療しか出来ない。遺伝子研究者のドクターからの意見ですと、かなり無知な状態で無理やり日本でグレーマーケットで受精卵遺伝子検査PGSなどを行っているので、結果の分析などもむちゃくちゃのようです。

4.PGS・PGD受精卵遺伝子検査を使えると、大幅に(98%)染色体異常を見つけれるため、移植の回数を下げる事が出来る。

5.研究施設と合体で治療を行っているOHSUはラボのクオリティがとても高いため、とても良いクオリティの受精卵が出来る数が多い。二人目の子や三人目の子を作るプランがあれば、冷凍保存バンキングが出来ている。このため、採卵もほとんどの場合は1回で、バンキング出来ます。クオリティの高い受精卵を冷凍・解凍するのにはハイクオリティのラボが必要です。

6.子宮内検査の誤差が日本の検査からあまりにも多いため、超音波検査・AFC(卵子の数を測る検査)がアメリカに来てからもう一度行い、日本で探せなかったポリープなどがアメリカで良く見つかります。卵子の数も日本からのデータと大体異なります。

7.1回の採卵と1回の移植で治療を行うアメリカのコストと、何回も採卵・移植するコストはたとえ日本の方が1回のサイクルが安くても、金額が似てくると思います。我々の患者で良く聞く経験では、先生に”お世話になっているから”と言う理由で何回も採卵・移植を失敗してもチャレンジするようです。他のみんなも失敗を繰り返しているので私も、と言う思考もあるようです。

アメリカで出来る事、日本で出来る事、共同で治療を行える事が出来れば、不妊で困っている患者様達が苦しまなくて良いと思いました。コストの問題も、海外高額医療ローンなど、さまざまなヘルプも出来ています。

私はいつでもご相談にのりますので、Info@omcllc.org
もしくはライン:Koheipdx 、SKYPE:Kohei Takazawa 、チャットワークでもOKです。

希望を無くさずに、皆様に合った治療を探せる事を心から願っております。

2018年8月23日木曜日

ステロイド外用剤、脱ステ、リバウンド(ステロイド離脱症)とは?

アトピーを患っている方や関係者はリバウンドと言う言葉を知っていると思います。
正式には”ステロイド離脱症”と日本では言われているようです。英語でも”バウンス”や”リバウンド”と言う言葉を使います。

結局言い方を変えていても、長期浸透度の強いステロイド外用剤を塗布し、急に止めるとものすごい炎症が出ます。
この炎症が”ぶり返し”、抑えられていた炎症が出て来た、と、副腎機能が低下し、お薬からの副作用として症状が劇悪化する、の違いで混乱されている方が多いようです。

アメリカからの視点では、”ステロイド離脱症”が出る時は、体左右対称に、それと顔が腫れたり、足首が腫れたり、痒みよりも熱を持って火照るような感じはアトピーの炎症がぶり返しただけとは思えないのが事実です。明らかに内面から出て来ています(全身型)。
以前に炎症が出ていた場所とは関係なく、今まで数百名のリバウンドを見てきた経験上では、全員顔・背中・首から始まります。塗布されている期間や強いステロイドを長期に渡って使っていた方達はそこからムーンフェイス(顔が満月の用に腫れる)ともっとひどいと足首も象の足のように腫れる方もおられました。
実感されるのも痒みと言うよりも腫れ・痛み・火照りを良く聞きます(これはすでにお尻にデクスメタゾンとトライアムシノロンの調合薬を投与した後でも貫いて炎症が出るが、何も使っていない状態と比べてだいぶ抑えられていると思います)。

アメリカの治療でも個人が自己判断で”脱ステ”を行う事はお進めしておりません。コントロールしながらステロイドを離脱し、安全なお薬に変える事により、苦しい思いをせずに辞めれるのが一番安全で効果的だと思います。
但し、長期間ステロイドを塗布されている方は、少しでも辞める事が出来ない状態になっているので、本人は使いたくなくても、使わざるを得ないので辞めれない事になっている場合も少なくありません。
この場合、中々安全に日本で辞めて行くオプションが無いため、新薬のデュピクセントなどを求める事になると思います。デュピは長期安定にはとても優れているお薬ですが、リバウンドや感染を抑える効果はありません。

理解しにくいかも知れませんが、安全にステロイドを辞めて行くのには、ステロイドを専門医が上手に引いて行き、症状が悪化しだすと量を少し上げ、徐々に下げて行く方法です。これは筋肉注射・内服・外用剤、すべてをパーフェクトに使いこなす必要があります。ここがドクターマセソンのとても優れている部分であり、他の医師からも”魔術師”の用にお薬を使いこなす先生と言われています。内科の知識がとても強い所もあり、経験と、初めてリバウンドを起こす日本人の患者様を診た時(25年ほど前、アメリカで30年皮膚科医として働いており、見た事無かった)からあらゆる方法でステロイド外用剤から安全に、かつ快適に離脱出来る方法を作りました。

一度離脱出来ると、デュピクセントや正しいスキンケア・トリガー駆除・感染対処など行う事により長期安定が期待できます。
安全な弱~中ぐらいのステロイド外用剤も1ヶ月に1回使うか使わないかぐらいですと、今までの使用度とステロイドの強さと比べると多分98%は使う回数は減ると思います。

アトピーを持っていない方でも弱レベルのステロイドをかぶれなどにたまに使う程度です。

ステロイドは即効性があり、とても酷い状態を早く楽にする作用があるので、まだ使い道はあります。デュピは効果が発揮するまで時間が掛かる方や、デュピだけでは100%すっきりしない方もいるので、まだ使える道具です。正しい知識と安全な使い方を患者様に説明する事が重要となります。

2018年8月14日火曜日

アトピー専用JAK1阻害剤、治験経過と効力

ファイザーとイーライリリーが現在アトピー性皮膚炎専用、JAK1阻害剤の治験レースを行っています。

オレゴンメディカルリサーチセンターでは、ファイザー社の方が動きが早く、先に治験が始まりました。

ファイザーの治験プロトコルがとても良く、オープンラベル+必ず実薬が貰えるシステムになっています。
根本的にアプローチが違い、下記のスケジュールとなっております:

治験スクリーニング(健康面チェックはデュピやトラロキヌマブの治験よりも厳しい)
1日目(投薬初日)から3か月まで、治験参加者全員実薬が貰える
3ヶ月後、もしアトピーのスコアが下がっていなかった場合、治験から外されます(お薬の効果が無かったと言う事になります)
アトピースコアが下がっていた場合、お薬のランダム化が始まり、33%ずつの確率で実薬1日2錠、実薬1日1錠、偽薬と振り分けられます。
この期間が1年続き、この間でもし皮膚が悪化したり(偽薬に当たった場合など)すると、無制限のレスキューと実薬100%に戻す事になります。

滑り止めとして、必ず実薬に貰える事と、レスキューに制限が無い事がとても良い点です。
オープンラベルも予定されており、実薬を貰える期間はまだ未定ですが、経験上、大体2年ぐらいは貰えています。

ファイザー社の考えでは、始めの3ヶ月で効果が無かった人は、このお薬はその方には合っていない、そして実薬から偽薬に変わった人達で又アトピーが悪化すると言う事は実薬の効果があったと言う2点が明確になります。

現在のデメリットは、生物薬の用に2週間~4週間に1回投与では無く、毎日錠剤を飲むと言う点で(時には1日2回)飲み忘れなどが起こってしまう事と、制御している因子がもう少し根本にあるため、副作用が生物薬よりも多いと考えられます。現に胸ムカムカと頭痛を感じている患者様もいます。これは1日半錠の頭痛薬でコントロール出来ているようです。

アトピーの炎症度スコアは、初日の診察から2週目で約82%の改善が診られました。EASIスコア、QOLも(生活の質、睡眠など)90%ほど改善されていました。

効果のスピードは生物薬よりも圧倒的に早いので、患者様からの感想では、二日目ぐらいからは痒みがほぼ無くなったと言っていました。

薬価は、現在市場に出ているXeljanz(Jak1,2,3阻害剤)が、1錠5mgx60錠、2ヶ月分で~$4200なので、今の為替では48万円ぐらいです。
と言う事は1ヶ月24万円ほど。
生物薬の2/3ぐらいのコストですね。
デュピクセントが現在1ヶ月$3200、38万円ぐらいです。

日本でのデュピクセント認可を見ると、定価から50%引きで購入し、3割負担でざっとした計算ですと:
デュピ $3200 50%引き =$1600 患者3割負担 ~月・5万円

JAK1 $2100 50%引き = $1050 患者3割負担 ~月3万5千円

と私は想定しています。

アトピーを退治する武器が更に増え、的確な治療と正しいケアによって、更なる治療成功率の上昇が期待できます。

ファイザーの治験はまだ参加者スポットが空いているので、アメリカでの長期滞在ホームステイプログラム、10年医療治験ビザなど、ご質問・ご希望を望んでいる方は:
info@omcllc.org
にてご連絡下さい。
ラインIDは:Koheipdx です。