OMC

2018年6月30日土曜日

ダーミラ製薬会社・レブリキズマブ、アトピー専用新薬

IL13受容体のブロッカー生物薬、レブリキズマブのPhase2治験が始まって3ヶ月経ちました。

効果はとても良く、デュピクセントより効きが早いような気がします。副作用も今の所まったくなく(デュピは結膜炎のリスクがある)、投与の度にぐんと良くなり、”切れてくる”という感覚も少ないようです。これによって、半減期も長めだと考えられます。これが長いと1ヶ月に1回の投与とかも可能になって来ます。現在の治験患者はとても満足されています。

デュピクセントやトラロキヌマブなど、アトピー専用の生物薬は他にもあり、ターゲットする因子IL4と13も似ていますが、生物薬のデザインにより効果が全然違います。

なぜかと言うと、血流に流れている因子の方をブロックするか、受容体の方をブロックするかなどで、効力も違い、分子構造のデザインでも効きが変わってくるので治験を行っています。
投与量・投与期間も、どれも違います。

デュピクセントの場合、治験が開始された頃(6年前)は1週間に1回投与の治験でしたが、市場に出た時は2週間に1回投与に変わりました。これは治験データによって、1週間に1回VS2週間に1回投与のグループと違いを見た時に改善される効果がほぼ同じだった事が明確になったためです。

レブリキズマブは2週間に1回の実薬と4週間に1回の実薬投与と分かれている治験を行われているため、もし1ヶ月に1回のグループが同じぐらい改善されていたら、月1投与の生物薬となります。

トラロキヌマブも同様、投与量なども違うので、どれもユニークな部分があります。

ほんの少しの分子構造を変えるだけで大幅に効果や安全性が変わってくるため、製薬会社は同じお薬を100種類ぐらい準備しているようです。もし分子構造を変える必要が出てくると、すぐに変更出来るようにあらゆるシナリオを想定しています。

製薬会社は莫大な資金を掛けて研究や臨床治験を行うため、もはやアカデミックの大学病院や一般的な研究施設より研究のスピードと結果が早く、企業の方が最前線の情報を得られる場合が多くなってきました。
お薬の開発は医学の発展にもつながるのと、大学病院の研究とは違い、国の補助やポリシー、政治など無視して研究を進めれるため、結果も早いです。

良い治験プロトコルで、我々の専門医がお進めしている研究は患者様にとって、金銭的にも病状に対しても大幅なプラスになっています。これがまさしく医療のインサイダー情報だと思います。


2018年6月25日月曜日

ファイザー製薬会社、アトピー新薬、JAK1阻害剤治験募集中!

JAK1阻害剤という種類のお薬がアトピー性皮膚炎用として研究・治験が始まりました!これはデュピルマブ(デュピクセント)やトラロキヌマブとは違い、IL4とIL13のレセプター(細胞側の受容体、”受ける”ほう)を制御するお薬です。

投与法は錠剤であり、毎日内服する必要があります。これによってコンプライアンス(患者の飲み忘れなど)のリスクと、デュピクセントとは違い、もう少し幅広く免疫を制御するため、副作用が出る可能性もあります。
当然サイクロスポリンよりも安全ですが、デュピクセント系の生物薬よりも副作用によって使用出来ない方、もしくは不健康な方が使えない可能性があります。

但し、大きなメリットではお薬の費用が生物薬よりも安くなる可能性が高いので、金銭的にアトピー治療のフェラーリであるデュピクセント・トラロキヌマブと比べるとレキサスぐらいの費用になると思います。

JAK1はリウマチ治療に現在認可が下りているので、すでに市場には出ています。但し、ターゲットする因子IL4とIL13の受容体、そして製薬会社の分子構造デザインによって効果や安全性がかなり異なって来ます。ターゲットする因子が同じでもお薬の効果が大幅に違うのはその理由です。受容体の方でブロックするのか、それとも血流に流れている因子の方をブロックするのかなど、そして分子構造を微妙に変化させるだけですべての効果が変わって来ます。

製薬会社は同じ因子のブロッカーをターゲットしたお薬を開発しても、微妙に分子構造を変えて100種類ほど準備しています。

治験内容:
ファイザー社の治験プロトコルがとても良いので、この治験はドクターマセソン・ドクターブラウベルト・ドクターイーストがお勧めしています。第3治験(Phase 3)なので、安全性(第一)、効果(第2)は良い結果が出ているので、投与量(第3)に突入しています。
治験プロトコルは12週間、全員実薬からスタートする方法で、オープンラベルから始まります。
12週間後、ランダム(33.3%実薬1日200mg、33.3実薬1日100mg、33.3%偽薬)が始まります。この期間は40週間あります。
ここですごく良い点が、もしランダムの段階で偽薬に当たり、炎症が出ると無制限のレスキュー(専門医からの治療)となんと、ここで実薬に切り替える事が出来ます。
52週間の治験が終了後、オープンラベル長期安全性治験に入る事が出来、追加52週間分の無料の実薬期間になります。

滑り止めが強い治験なので、とても良いです。

デメリットは健康状態がかなり良くないと治験スクリーニングで落とされます。これは過去に癌の診断や現在肝臓や腎臓などの疾患を患っていたり、全体的に不健康であると落とされる可能性が高いです。

後、期間がとても長いので、治験に入れる患者様は限られると思いますが、ビザなどはアメリカの治験に参加すると10年間ビザは下ります。
滞在もコストを下げ、ホームステイ系の治験用として1部屋は確保しております(長期滞在の方用)。

これも将来のアトピー治療オプションとして一つ増えるので、とても良い方向へ進んでいると思います。

ご質問などは:info@omcllc.org にてよろしくお願いします。

2018年6月14日木曜日

アレルギー注射ボトル、7月・8月の発注スケジュール


(渡米治療後の患者様用)

アレルギーボトル発注、7月・8月の有効期限の方達へ、母からのメッセージです。

ご無沙汰致しております。有効期限が7月と8月の方にご連絡です。
注射の注文についてですが、下記のような状態で、日本まで定期的に手持ちで持って行くようになりました。
次の日本行きが8月半ばから20ごろを予定しております。有効期限から1か月間は、効果も同じで使えますので、新しいボトルが来るまでは、現在お持ちのボトルでスケジュール通り継続しておいてください。
注射は7月25日ごろから7月末までにご注文下さい。
 (この期間を見逃すと、次は10月半ばになります)

昨年発送した注射の箱が昨年6月末に1つ、そして724日に3人分、発送したもの
が、USPS(郵便局)のポートランド支店で止まったままになっていて、そこまで探し
に行きましたが、行方知れずです。今まで20年間、発送をしていましたが、このよう
な事がおこったのは初めてで、とても困惑しております。しかし、このまま続けて発
送するのも怖くて出来ず、クロネコヤマトにも相談いたしましたが、下記のようにお
返事を貰いました。

高沢様

お世話になっております。
昨日、然るべき部署に持ちかけてみましたが
誠に申し訳ありませんが宅配便では処方された医薬品取り扱いに制限があり
残念ながらエンドユーザーへの直送は出来ないのが現状です。
また成分の開示も必須となって参ります。
弊方も取り急ぎ良い方法がないものか、
探って参ります。

残念ながら、お世話になることはできませんでした。

それで、2か月に1度、まとめて日本まで持って行き、日本国内から発送するつもりに
しております。1回目は、昨年826日に行きました。次で6回目となります。予定は、8月半ばから20日過ぎ頃を予定しています。これらのスケジュールは、決まり次第チャットワークでご案内いたしますので、時々覗いてください。
今までは、手数料+送料=220ドルほどだったと思いますが、それを、$250を頂戴
し、航空券の費用に充てたいと思いますが、皆様のご意見は如何でしょうか?そのた
め注射の注文は、早めに連絡を頂かないといけませんが、スケジュールをその都度、
ご案内するように致します。ご意見やアドバイスなどがありましたら、どうかご遠慮
なく、namikotakazawa@omcllc.org へご連絡ください。
日本へ到着してからは、空港からクール宅急便で、お薬をいつも発送してくれている処へ送り、そこからそれぞれのお宅に、クール宅急便の着払いで発送を致します。

高沢 奈美子

2018年6月7日木曜日

ドクターマセソン・アトピー治療後のハッピーストーリー

2014年にドクターマセソンのアトピー治療を受けたI.K.さんが、とても良いニュースを送って頂きました。

5月2018年にご結婚されました!おめでとうございます!


渡米時はマスクをして、皮膚を衣類で隠して、気持ちもかなりダウン気味でした。其の時は女性二人のチームで、丁度新ケアホームに引っ越しした所でした(ケアホームテストして頂いて有難う御座いました)。

ビューティー系のお仕事をしているので、やはり指や手の炎症が酷かったです。過去歴は子供の頃にアトピーと診断され、四肢屈曲部から徐々に広がって行き、良く見るパターンで、思春期になって顔や全身に炎症が広がるケースです(この年代でアレルギー体質になり、顔・首に炎症が始まるケースが多い)。
成人になってから、あらゆるステロイド治療・漢方・温泉の基や、ネットでお薬を購入するなど危険な方向へ行っていました。

ステロイドを辞めた時にリバウンド(ステロイド離脱症と日本では言われている)も経験しており、全身の炎症と浸出液も出ていたようです。

2014年に渡米し、ドクターマセソンとドクターベイカーの治療を受けて帰国されました。治療の終盤ではもう一人の患者様とダウンタウンへ行ったり、とてもポートランドの生活も楽しまれておりました。

帰国した後もサポートは必要でしたが、お仕事にも励んで、アトピーをコントロールしながら、ビューティーテクニシャンとして継続していたようです。

5月にご結婚されるとお聞きし、ドクターマセソンからもお化粧やウエディングドレスで悪化しないように、予防的に使うデルタゾン内服薬も処方してくれました(ウエディングギフト?)。

ご本人様も少しハラハラしながら、なんとか結婚式・撮影は良い状態を保ったまま終了したようです。



ドクターマセソンや我々もハッピーニュースは本当に感謝しております。この治療プログラムが無駄でない事を心から実感出来ます。少数ではありますが、少しでも他の方が幸せになれるのであれば、ドクターもOMCも、この活動は必要である限り、ずっと継続したいと思います。もう辞めると言うオプションはここまでくると無いと思います。

この記事が困っている方達へ、少しでも希望になる事を願っております。みんなで頑張ればなんとかなる病気なので、お金や滞在期間・治療の不安など、いつでも我々はご相談に乗ります。みんなでこの問題を助け合って解決していきましょう。