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2018年8月14日火曜日

アトピー専用JAK1阻害剤、治験経過と効力

ファイザーとイーライリリーが現在アトピー性皮膚炎専用、JAK1阻害剤の治験レースを行っています。

オレゴンメディカルリサーチセンターでは、ファイザー社の方が動きが早く、先に治験が始まりました。

ファイザーの治験プロトコルがとても良く、オープンラベル+必ず実薬が貰えるシステムになっています。
根本的にアプローチが違い、下記のスケジュールとなっております:

治験スクリーニング(健康面チェックはデュピやトラロキヌマブの治験よりも厳しい)
1日目(投薬初日)から3か月まで、治験参加者全員実薬が貰える
3ヶ月後、もしアトピーのスコアが下がっていなかった場合、治験から外されます(お薬の効果が無かったと言う事になります)
アトピースコアが下がっていた場合、お薬のランダム化が始まり、33%ずつの確率で実薬1日2錠、実薬1日1錠、偽薬と振り分けられます。
この期間が1年続き、この間でもし皮膚が悪化したり(偽薬に当たった場合など)すると、無制限のレスキューと実薬100%に戻す事になります。

滑り止めとして、必ず実薬に貰える事と、レスキューに制限が無い事がとても良い点です。
オープンラベルも予定されており、実薬を貰える期間はまだ未定ですが、経験上、大体2年ぐらいは貰えています。

ファイザー社の考えでは、始めの3ヶ月で効果が無かった人は、このお薬はその方には合っていない、そして実薬から偽薬に変わった人達で又アトピーが悪化すると言う事は実薬の効果があったと言う2点が明確になります。

現在のデメリットは、生物薬の用に2週間~4週間に1回投与では無く、毎日錠剤を飲むと言う点で(時には1日2回)飲み忘れなどが起こってしまう事と、制御している因子がもう少し根本にあるため、副作用が生物薬よりも多いと考えられます。現に胸ムカムカと頭痛を感じている患者様もいます。これは1日半錠の頭痛薬でコントロール出来ているようです。

アトピーの炎症度スコアは、初日の診察から2週目で約82%の改善が診られました。EASIスコア、QOLも(生活の質、睡眠など)90%ほど改善されていました。

効果のスピードは生物薬よりも圧倒的に早いので、患者様からの感想では、二日目ぐらいからは痒みがほぼ無くなったと言っていました。

薬価は、現在市場に出ているXeljanz(Jak1,2,3阻害剤)が、1錠5mgx60錠、2ヶ月分で~$4200なので、今の為替では48万円ぐらいです。
と言う事は1ヶ月24万円ほど。
生物薬の2/3ぐらいのコストですね。
デュピクセントが現在1ヶ月$3200、38万円ぐらいです。

日本でのデュピクセント認可を見ると、定価から50%引きで購入し、3割負担でざっとした計算ですと:
デュピ $3200 50%引き =$1600 患者3割負担 ~月・5万円

JAK1 $2100 50%引き = $1050 患者3割負担 ~月3万5千円

と私は想定しています。

アトピーを退治する武器が更に増え、的確な治療と正しいケアによって、更なる治療成功率の上昇が期待できます。

ファイザーの治験はまだ参加者スポットが空いているので、アメリカでの長期滞在ホームステイプログラム、10年医療治験ビザなど、ご質問・ご希望を望んでいる方は:
info@omcllc.org
にてご連絡下さい。
ラインIDは:Koheipdx です。



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