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2015年7月8日水曜日

アトピー性皮膚炎用新薬・ドゥプリマブ(リジェネロン製薬会社)



我々は製薬会社からの治験患者募集のコーディネートも行って来ました。治験と言うのは、製薬会社が新しいお薬を開発するために効果・安全性・投与量などを見るための研究です。他国の薬事法に公認されるように、大手の製薬会社は世界中で治験を行います。

これらが本当の最新医療であり、まだ市場に出ていないお薬を使う事が出来ます。オレゴン・メディカル・リサーチ・センターはドクターマセソンとドクターブラウベルト博士と友にパートナーで経営されています。アトピーのお薬だけではなく、主に乾癬や水虫などの新薬治験が実地されています。

ねずみの段階から、第一治験までは安全性をかなり強調し、人間への治験に辿り着くまで4~5年は掛かる物もあるようです。



このドゥプリマブ(IL4とIL13受容体を制御するお薬)はモノクローン抗体と言い、人間の抗体をクローンした物を投与します。そうする事によって、安全性も高く、制御する免疫が決められているので副作用もほぼゼロに等しいのです。他の免疫制御剤などは広く制御してしまうので副作用があったり、副腎への負担なども生じます。ステロイドなどは何十年も使われてきているので決して悪いお薬ではないのですが(即効性があるので)次世代のお薬と比べると使い道が違います。

ドゥプリマブは家でご自分で投与出来る治療になるので、1週間に1回、下腹部に決まった量の注射器で打ちます(糖尿のインシュリンと似ているかも知れません)。慣れてくれば、なんとも思いません。初めは確かに少し緊張しますが。



約6名ほどドゥプリマブの治験をコーディネートしましたが、効果はものすごく良かったです。確かにステロイドほど即効性は無いのですが、皮膚の性質などが変わり、もちもちした感じと患者から聞きます。2週間ほどでだいぶ効果を示し、なんとアレルギー症状も治まっています。長期期間使う用にお薬がデザインされているので、安全性も高く、家で自分で打て、副作用が無く、アトピーの因子をコントロールしていきます。

残念ながらリジェネロン社のドゥプリマブ治験はもう終盤に入っており、新規募集がもうほとんどありませんが、それはお薬が市場に出る時期が迫って来ていると言う事です。薬事法はとても厳しく、動きが遅いので第三治験(長期期間の安全性・投与量などを見る最後の段階)が終了してから、約3年は市場に出るまで掛かるようです。



新薬を使ってもスキンケア・感染予防・トリガー削除などには変わりありません。患者の心理で、魔法の特効薬を探す方が多いですが、アトピーの場合はそうは行かないのでドゥプリマブを使ってもドクターマセソンが指示しているケアーは必要なのです。

新薬を投与しても乾燥肌にスキンケアは必要、感染(バクテリア)の対処もこのお薬では出来ず、よっぽどなトリガー(悪化の要因)と遭遇してしまうと、炎症が貫いて出てきます。但し丈夫な肌を維持する事が出来ればちょっとやそっとでは炎症が起こりにくくなります。

アメリカで市場に出るのが3年ぐらいとお聞きしているので、日本ですと後5年ぐらいだと思います。一番の難関はコストになります。製造の時点でものすごく高額なお薬なので、似たようなモノクローン抗体の乾癬に使われているお薬が1年間で250万ほどのコストになっております。果たして日本での国民保険制度で何名のアトピー患者にドゥプリマブを処方出来るかになります。国民保険制度の国はバイヤー力が強いので、大量の発注をする際に値段を強く交渉する事が出来ます。



40%引きでの交渉で日本全国で購入した場合でも1年間の負担が150万ほどになります。日本のアトピー人口全員に処方してしまうと破綻するので、重症の方のみに処方許可が出るかも知れません。誰が重症で、軽症と言われても本人が重症だと思っているかも知れないので、難しい問題になると思います。

このお薬で多くのアトピー性皮膚炎を患っている方達が救われると予測されます。上場している企業で、何千万ドルもアトピー性皮膚炎専用の新薬への開発に投資する商品の方が信用はあると思います。世界各地での治験・研究は約$4,000,000,000.00(400億円)ぐらいは平均で掛かると言われています。



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