OMC

2015年9月9日水曜日

Art of Medicine、感性と技術


アメリカのドクター達とカジュアルに夕食やゴルフなどの時に興味深いお話しを沢山聞きます。仕事の環境から出て、リラックスした時にしか出ない会話など、とても面白いです。

カルチャー、人種の違いですでに治療に対するアプローチが変わります。確かに標準治療、ガイドライン、使えるお薬の種類、医療行為に関する法律などで縛られますが優秀なドクターほど”Art Of Medicine”を良く言います。

例外なケース、困難な病気、”不可能・無理”と言われる患者、に対してArt of Medicineは、未知の世界を辿る事、経験や技術を使って誰もがまだ行っていない治療方針などで新しい治療を編出していく事を言います。医者の技量やパフォーマンスがすべてで、困難なケースをクリアしていき、新たな経験となる事です。

こういう所はアメリカ人が得意な所だと思います。クリエティブな感性とチャレンジ意識が強く、自信があれば怖がらずに治療方針を決め実行する力です。

あてずっぽうに実験するのではなく、技量と自信があってのこそ出来る技です。

我々の治療プログラムをご存じの方達は、アトピー性皮膚炎治療+アレルギー治療と今は普通になっていますが、これも12年ほど前に始まった治療方針です。

(19世紀アートオブメディソン、医療は科学だけではない;感性・技術も必要とする。錠剤や軟膏だけを作るのではなく;命を扱う事であり、それらを理解し方針を決めなければいけない。)


今でもアレルギー治療・減感作などはアトピー性皮膚炎を患っている患者には行えない。と言われています。では、アトピーの患者に対するアレルギー治療は抗ヒスタミン・点眼薬・点鼻薬のみ。血液アレルギー検査RAST(これもアメリカではほとんど使われなくなった。検査結果と患者の症状がまったく一致しないケースが多いので)に出たものも、治療は出来ない。と行き止まり状態になります。

2002年ぐらいにドクターベイカーとドクターマセソンが共同でアトピー患者のためにアレルギー治療を行う方針を取りました。この時に、本当に空気中のアレルギーから皮膚が悪化するのかどうか、ドクターストロー(ドクターマセソンの教授)に空気中アレルゲンのパッチテストを行う実験をしました。スクラッチテストではなく(IgE),遅延型で花粉やダニなど(IgG)を見るのにはパッチテストが必要でした。結果はやはり、IgEだけではなく、花粉・カビ・ダニなど空気中の物にもスクラッチ以外でパッチテストで反応を示しました。

ここで、やはりアレルギー治療はアトピー患者には良いのではないかと決心したようです。アトピー患者はアレルギーを沢山患っているのは大体みんな知っている事だと思います。不思議ではありません。ここで悪化しないようにアレルギー治療を行う方針を取り、濃度や量を調節し、最高濃度まで上げるRUSH治療を2週間で行う事を編出し、今は安全に、かつ効果的にアトピー患者達にアレルギー治療を出来るようになりました。各自のスペシャリストドクター達が知恵と経験を使い、新たな治療法を編出すのがArt Of Medicineだと思います。

数年後にNew England Journal of Medicine(信頼を置ける医療ジャーナル)の記事で”アレルギーイミュノセラピーはアトピー性の患者に効果的かも知れない”と出ていました。”かも”で終わっていますが、同じ考えのドクターもアメリカのどこかにいたと言う事です。


研究・臨床は当然重要ですが、どうしても時間が掛かり、標準治療だけでは治まらない患者も多いです。その方達のためにArt of Medicineが存在し、他の人間を助ける愛情と新しい道を切り開いていくのが我々の役目だと信じています。

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