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2016年1月31日日曜日

ドゥプリマブを日本で公認後、アトピーはどうなる?

このトピックスは、ドゥプリマブの存在は知っている方達にはとても興味深いと思います。残念ながら私は日本で住んだ事が無いので、日本国民保健制度の知識は日本のお医者様からのお話しぐらいです。


箇条書きにすると:
ドゥプリマブがとても高額-製造の段階でかなり高額なお薬なので、定価ですと1年間300万円ぐらいの費用が目安です(他の生物薬のコストを見ると)。日本としてのバイヤー力は強いので、製薬会社との交渉で多く購入し、購入値を安くする事が国民保健の国には良くあります(コストコの用に)。安く購入したとしても、50%引きで年間150万円のコストには最低なると思います。

国民保健でアトピー患者全員にドゥプリマブ?-は無理でしょう。免疫抑制剤のサイクロスポリンでも、処方する量と期間が短いのでコストを抑えているようです。ドゥプリマブも短い期間だけ貰えるか、特定した重症患者だけに処方する事になると思います。

では、どうしたらドゥプリマブが貰える?-皮膚科が使う”点数”システムと言うのがあります。さまざまな質問に答えてから(不眠、生活支障など)皮膚科が肌を診察し、患部により点数をつけて行きます。この点数によってドゥプリマブを処方して貰えるか、ステロイド軟膏治療になるのか判断されると思います。



ドゥプリマブでリバウンドは抑えれない-この新薬は、IL4とIL13と言うアトピー・アレルギー因子だけを制御する物なのでステロイド剤からの副作用・後遺症のリバウンドを抑える効果はありません。重症患者は経験上、まったく治療を行っていない(民間療法のみ)放置状態の方か、がっつりステロイド軟膏、又は常時ステロイド内服を行っている方の2種類が多いです。放置状態の方にはドゥプリマブの効果はとても良いと思います。リバウンドを待っている方(ステロイドを止めれない方達)にはドゥプリマブの他にリバウンドコントロールの治療が必要になります。

ドゥプリマブのリスク-お薬自体の副作用やリスクはゼロに等しいほど安全です。私が思うリスクは、我々が患者様に教育しているスキンケアや感染予防、感染対処、アレルギー治療などを追加でする事によりドゥプリマブの効果が発揮するので、このお薬は治療の追加と考えてください。治療の代わりになるお薬ではありません。まだ脱保湿や瀉血、誤ったステロイドの使い方などを良く聞くので、正当なアトピーケアーの知識が一般化されないとドゥプリマブも”あまり効かないお薬”と見なされて日本政府が購入しなくなるかも知れません。ステロイドほど即効性が無いので、長期間の安定にはとても良いお薬ですが、効果が発揮するまで大体1ヵ月ぐらい掛かっています。強いトリガーと接触すると効果を貫いて炎症も出ます。但し、長期間安定するためには現在では最強の道具です。



アメリカでドゥプリマブを購入-この手段を探す方も出て来ると思います。現在でもサイクロスポリンの処方量と期間が日本では短すぎるのでアメリカから発送しています。コストコ薬局で一番安く購入し、医療コーディネーターとしてコストコとの関係を持ち、我々の患者はすべてその上10%引きで購入しています。アメリカでドゥプリマブが公認された後は、高額になりますがアメリカで購入し、日本で治療を継続する事が出来るプログラムを作るつもりです。

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