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2016年4月18日月曜日

歯科治療とアトピー

とても珍しく、困難なケースが最近にありました。アトピー性皮膚炎を患っている方で様々な免疫疾患や女性ホルモンに敏感であったり、難しいケースの患者様です。とてもケアーが上手な方で、長く病気とバトルして来た方なのでとても慎重にトリガーや体に気を付けています。理解力も強いので、これもとても重要なポイントとなります。


(ドクタージョディー・ドットソン)

数年前に日本での歯科治療で悪化し、その後アメリカのSmiles Northwestのドクタードットソンに掛かり、安全な素材やセメント材を探し再治療しました。歯の素材やセメント材、接着剤などかなり色々な種類があるのですが、アトピーを患っているという事で安全だと言われている素材などを使う事にしました。

ジルコニアを使った詰め物とクラウン、ブリッジなどを使って、セメント材はグラスアイオノマーと言い、固まるとガラスに近い成分になります。接着剤やセメント材は固まる時に分子が”カップル”を作り出し、がちっとレゴのようにくっつきます。理論上では、この状態から”溶けだしたり”する事は無いはずです。日本で行った治療をすべて取り除き、これらの安全と思われる素材にすべて変えました。

帰国後、数か月の内に違和感を感じだし、アトピーも少しずつ悪化していきました。日本での歯科治療を行った悪化とはまた違うので、トリガーを特定させるのに難しいです(歯科から悪化なのであれば、同じような悪化の経路をたどるはずではないか?)。素材自体も陶器やガラスにアレルギー反応はほぼ無いはずだと、ドクタードットソンとドクターマセソンも言っていました。

患者本人は部分的にもトリガーの感覚が違うと言い、口の中に入っている素材はすべて同じなのでなぜ。。となっていました。




もう数か月経つ内に更に悪化が酷くなり、歯科治療の再渡米を覚悟しました。再渡米前にドクタードットソンも、歯からアトピーが悪化する可能性は少ない、使っている物質からアレルギー反応を起こした方、得に遅延型アレルギーは聞いた事も見たことも無いと言われました。ここで”患者の思い込み”とドクター達に思われると、治療が継続できないリスクも出てきます。

ドクター同士でかなり長いミーティングを事前に行いました。とてもユニークなケースで、お互いのドクター達も見たことのない事だったので一番重要がポイントに集中しました。

患者様の話を聞き、信用する事です(精神状態や理解力によって異なります)。

ドクターマセソンは、患者が自分の体を一番良く理解している、と言います。この方の場合はすでに正しい知識と治療をアメリカで行っていたので、ドクターマセソンも信頼していました。悪化のタイミングや患者様ご本人の感じ、以前詰め物や接着剤をすべて取り除いた後に皮膚が良くなった事など、すべて考えた上で、もう一度歯科治療を行う方針を取りました。

ドクタードットソンも、健康でとても高度な詰め物やクラウン、ブリッジも歯科的に問題が見られない物をすべて取り除く事に対してかなり躊躇していました。無理もありません。正し、ドクターマセソンの意見、患者本人からの意見なども聞き、すべて詰め物を取り除く事にし、クラウンとブリッジを残す事になりました。これも不思議な事でクラウンとブリッジの方が物質が多いにも関わらず反応が少ないようです。

ジルコニアとセメント材を取るのは結構難しい事でもあり、健康な歯も少し削る事になるので痛みや神経の根っこなどもリスクがあります。この方の場合は簡易の歯もつけれないので処置後は痛みや沁みる場合もあります。片側ずつ詰め物を取る事になり、まずは左側の詰め物を取り除きました。数日後には明らかな違いが分かり、私自身も皮膚の色が少し白くなったような感じが見られました。



1週間後に右側の詰め物を取り除き、更に皮膚の安定が見られました。すぐに帰国されたのでその後の回復が見られなかったですが、明らかに皮膚も白くなっており、気分や感じの違いも見られました。

取り除いた後にどうするかはまだ方針が出来ていないですが、色々なセメント材を試すしかありません。このケースはお互いのドクター達が初めて遭遇したものですが、ドクター同士の感性や理解、新しい方針などをチャレンジする気持ちから治療が成功しました。

感性、理解、チャレンジ意識、医療にとってとても重要な事です。

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