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2015年6月13日土曜日

アトピー性皮膚炎で渡米治療する理由は?

当然ドクターマセソンがアメリカにいるのでそのために渡米する事ですが、それ以外のメリットをまとめて見ました。


1. 環境チェンジ・今までのリズムを壊す
現在入る環境から一時的に離脱し、まったく違う環境へ行くだけでも変化が見られる患者もいます。アトピー暦の問診表に海外出張中、何もしていないのにアトピーが改善されていったと記入されている方も良く見ます。徹底的に一から治療をする場合、0からスタートするので環境も変えると効果があります。滞在中に日本でのご自宅・仕事場の環境を安全にするためのアドバイスや指示があり、整えて行きます。とても重要な事です。

2. アトピーの個人差(ステロイド使用期間・漢方薬・民間療法の混乱)
治療アプローチが個人別されており、一人一人の調節が必要です。そのためには患者への教育を基に、一から知識を入れなおす必要があるのでかなりの時間が必要です。ドクターは”アトピーキャンプ”と言っています。アメリカの医療では患者への病気・治療に対する教育をかなり重視されているので不安を取り除き、自信を持って治療を進める事が出来ます。患者が渡米前に行っていた治療法によってもアプローチが変わります。

3. リバウンドコントロール
日本からのアトピー患者の特有な個性とするとステロイド軟膏の使い方と頻度です。ステロイド軟膏のコントロールが出来ていない方(1ヶ月以上、毎日塗布)が渡米する場合、リバウンドと言う症状を見ます。すでに経験されている方も少なくありません。休む期間を作らず、継続的に浸透度が高いコルチコ・ステロイド系を塗布するとお薬からの副作用として副腎の機能が低下・停止してしまい、塗り薬を止めて5日~1週間後に皮膚の腫れ・浸出液・皮むけ・極度の炎症が診られます。ステロイド軟膏をコントロールして使っている方達と明らかに違います。
渡米治療中はリバウンドをドクターが辛くないようにコントロールして行きます。そうする事によって、安全に強いステロイド軟膏から離脱出来ます。患者からの感想では、日本で経験したリバウンドの辛さと比べて、渡米してからのコントロールしたステロイドからの離脱は比べ物にならないほど楽に終了出来るようです。ご自分だけで”脱ステ”をするのは危険だと思います。

4. 治療方針が決まる
何百人と問診表やアトピー性皮膚炎を患っている方達と接していると似たようなお話が出てきます。治療を探し続ける果てしないサイクル、ちょっとでも良いと思うと試してみる、標準治療に疑問を抱き、民間療法、サプリメント、食事療法、漢方薬、瀉血、温泉、が主流です。みんな少しずつ試してみて、この当たりをぐるぐると循環します。アメリカで治療を受けて、経過を診て、納得すると治療方針が一本に決まるのでそれだけでも肩の荷が軽くなるように実感するようです。治療の内容はすべて医療的根拠があり、ドクターマセソンが推奨する治療法は治験・臨床を終えた物しか取り入れません。例えで言うとハイターのお風呂も我々は8年ぐらい行って来ました(それまでは軽い消毒液のクレンジング)、これはドクターが編出した治療法ではなく、もう50年ぐらい前から行っている方法です。それをアトピー治療に組み込んだだけです。ムピロシン抗生剤軟膏を鼻の穴に塗るのも、最近に病院での入院中(オペ後など)感染率を下げる事方法として実地され出しています。これも我々はかなり前から知っていた事です。医療的根拠がある治療法を取り込んで行き、患者個別に治療方針を決めていきます。魔法の特効薬はありません。

5. スキンケア
一番軽く見られる治療の一部です。残念ながらスキンケアがアトピー治療の基礎であり、この部分が怠っていると他の治療が上手くいきません。多くの患者は”薬”や何か神秘的な物を求めている考えがあるようですが、実質はそうでもありません。お薬は”道具”であり、治療には使いますが、お薬一本勝負ではないのです。スキンケアを土台とすると、お薬・アレルギー治療・トリガー削除は柱になります。ものすごい下手な図を作りました:
一つでも柱が傾くとすべてが傾いてしまいます。土台のスキンケアが出来ないと、どのお薬・方法を使っても中々上手く行きません。お薬一本勝負の病気では無いと言う事です。


ポートランドでの滞在中は治療に専念しますが、それ以外にも今まで出来なかった事などもして欲しいのです。それも治療の一部であり、アトピーで出来なかった事、これからしたい事をアメリカでする事によって、軽い実験になります。汗を少し掻いたり、運動したり、滞在中にシアトルやミニ旅行をしてホテルへ泊まってみたり、ショッピング、お酒を飲んでみたり、さまざまな行動をドクターから”やってみなさい”と言われます。ケアハウスで閉じこもりではありません。

まだまだ田舎ですが、一度お尋ねたらポートランドが好きになる方が多いです。初めてのアメリカ目的地としては、中々渋い場所ですが最近は少しずつ知名度が上がって来たようです。

ブードゥ・ドーナツ(今年東京へ行くようです)









2015年6月9日火曜日

久々の投稿

先月、アトピー性皮膚炎の治療チームの方に”晃平さんのブログを読みました”と言われ、このブログの事を思い出しました。始めた頃は読む方もおられず、6ヶ月で10人以下の方がこのページに行き届いた用なので、ギブアップし、忘れていました。 今は約1000名ぐらいの方がお尋ねたようです。少数でも読んでいる方がおられるようなので、更新する事にしました。 まずは、皮膚科専門医のドクターマセソンと私、チームメンバー全員の最近のお写真です:

Oregon Medical Research Centerもリフォームがあり、更に綺麗になりました:


オレゴンメディカルコーディネーターJapan、日本支部も構成し、ウエブサイトも更新しました:


オレゴンメディカルコーディネーターJapan

ケアホーム施設も新しくなり、より便利で使いやすい施設になりました:


2010年からの投稿からかなり変化あったので、書く内容は沢山あります。これから、どんどん投稿していきたいと思います。

2010年4月17日土曜日

始めに。。

始めまして、今日が始めてのブログ投稿になります。これから序所に今までの治療のお話や現在の患者さんの治療経過などを書いていきたいと思います。

2006年からさまざまな患者さんが渡米して治療にこられました。多くの患者さんがアトピー性皮膚炎の方達でした。重症の症状から軽い症状のアトピーなど、いろいろと違うパターンの方がいます。でも全員の共通点が普通の日常生活を維持し、痒みを無くしたいことです。ほとんどの患者さんが標準治療で皮膚が安定しない後、民間治療や漢方薬を使ったり、食事制限をしたり、その後挫折したりしてます。患者さんがこちらに治療に来る前に書いてもらう問診表にすべて書いてもらいます。

パターンとしては、子供のころにアトピーと診断される->ステロイド軟こうの処方->一時的によくなる->思春期から大人になるにかけ激悪化->ステロイドの強さが上がる->ステロイドが効かなくなる->リバウンドを起こし標準治療が怖くなる->漢方や民間治療を試す->あまり効果なしか多少はましだが改善はみられない->ステロイドに戻るか挫折。

、のアトピー暦が問診表によく見られます。正直言って、僕も日本の医療の状態はアメリカからではぜんぜんわかりません。唯一わかるのがアメリカではアトピーが発症している人をぜんぜん日常に見かけません。というか、僕はポートランドで一人も見たことがありません。たまたまの可能性もありますが、日本へ毎年行くときに電車やバスに乗ると滞在中に必ずアトピーの人を見ます。日本人だけの病気と言うのもおかしいですし、げんにAtopic Dermatitisと言う病名もアメリカには存在します。どうも子供の間に治療し、絶対にリバウンドを起こさせないようにお薬などを処方しているようです。大人になっても、強いステロイドの塗り薬などを使っていなければ炎症が起こっても治療が行いやすいです。正しい知識とスキンケアなどでみんな維持しているようです。

アトピーと言う言葉もこちらではぜんぜん知られていません。”皮膚炎”程度の言葉を使っています。アトピーと言う言葉は日本では違う意味があるようです。日本から来る患者さんのお話などや問診表を読んでいくと、日本での医療の現状が序所にわかってきます。お医者さんを攻めるよりも国レベルの問題になっていくと思います。医療保険システムが最新の治療や新しいお薬の使用などを妨げる形になっているところがあるかもしれません。

癌治療や人工授精なども同じケースが見られます。日本と同じような治療もありますが、やはり患者さんが選べれる治療の数が違います。こちらでは日本人と違って”がまん”をあまりしないカルチャーがあります。その結果、どれだけ患者さんが楽に副作用がなく治療を行うことを重視します。これをQuality of livingといいます。当然”がまん”はどんなカルチャーにも大切ですが、病気の場合は我慢しなくてよいと言うことです。乳がん患者の治療で抗がん治療を行ったとき、患者さんが怖がっていました。お仕事がいけない、常に気分が悪く、体重は減り、ほぼ寝たきり状態が続くのでは。。と。実際手術が終わり、抗がん治療が始まったとき、気分など悪くならずお仕事も普通にできました。髪の毛は落ちましたが幸い坊主が似合う方でした。この患者さんは現在ホルモン治療を継続しています。日本では胸を切り落として、人口の胸を入れることを進められましたが、こちらで手術終了後、胸は切らずにいけました。放射能パルーン法で、癌がある部分のみに放射能を当てて治療をしたので、他の臓器や体へのダメージがなくなるわけです。

こう言う治療が普通だと思っていましたが、日本から来る患者さんはいつもびっくりしています。